ROBOT CAFEの記録

はじめに

 

2014年夏。

原宿にてカフェを開業しました。

なぜ原宿でカフェを開業したのか。

それは原宿でカフェを始めればモテると思ったからです。

しかし飲食店でのバイト経験すらない僕は知識もなければ経験値もゼロです。

そこで何とか自分の得意なものを活かそうと考えに考えた結果。

僕が唯一得意と言えるであろうロボットとカフェの融合。

『ROBOT CAFE』で行くことを決定しました。

ROBOT CAFEの商標を取る

ロボットカフェという語呂の良さ。

今後伸びていきそうな感じ。

僕は来たる大ブームに備え『ROBOT CAFE』の商標権取得を決意しました。

入念に『ROBOT CAFE』の商標が取られていないかを確認。

そしてホームページ等を参考に出願書類を制作。

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すぐさま特許庁へ商標出願の書類を提出。

そして待つこと6ヶ月。

『ROBOT CAFE』の商標権を手に入れました。

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かっこいいです。

しかしここで満足してはいけません。

ここからが本番なのです。

カフェの形態を考える

予算はずばり7万円です。

しかし僕の自宅にはホットサンドを焼いてくれる非常にカフェ向きで非常に頼もしいロボットがいるのです。

このロボットを主軸に資金面を考慮した上でロボットカフェというものの形態を考えていきます。

まず資金面を考えた時実店舗を構えることはまず不可能になります。

そこで移動販売車での開業ならば安く上がるであろうと考えました。

 

ロボットがホットサンドを焼いている所を実演しながら営業していくスタイルで行こうと決めにかかり移動販売について調べた結果。

  • 移動販売する際は仕込み場という営業許可の取れた調理場が必要
  • 営業許可の取れた移動販売車を用意するのに結構なお金が必要
  • 車を停車させなおかつ営業を行わせてもらえるような場所が必要

つまり移動販売車だろうとお金はかかるということがわかってしまいました。

しかし原宿でカフェを開業しモテたいという熱意は鎮火しません。

さらに考え調べていった結果。

『行商』というものにたどりつきました。

行商とはリヤカーのようなものを人力で引っ張りながら営業するいわゆるチャルメラのようなものです。

  • リヤカーならばホームセンターで1万円以内で手に入る
  • リヤカーに載せる屋台も自分で製作することで節約可能
  • 道路を歩き続けて営業するためテナント料などが必要ない

このスタイルならば資金面はクリアできそうです。

しかしこの行商という形態は非常に制約が多く、

その場で調理し販売するような飲食物では衛生面の許可を取ることがほぼ不可能となってきます。

ではどういうものならば販売できるのかというと

  • すでに完成されたお弁当のようなもの
  • 栓の空いていない缶、ペットボトルなどの飲料類

となってきます。

つまりホットサンドを焼くロボットによる実演販売を行うことができません。

しかしお金はかからないに越したことはありません。

よってロボットカフェの営業形態は行商。

そして飲料類のみの販売で決定です。

なのでリヤカーに積載する小さな建物と同時にロボットも一から作ることにします。

販売するものを明確にする

そもそも普通のペットボトルや缶ジュースを販売しても自動販売機の下位互換でしかありません。

なので自動販売機などでは売っていないような変わり種の飲料を販売していくことにします。

そして調べていったところ様々な種類のコーラがあることがわかりました。

一通り買い揃えてみました。

『コーラの画像』

自分の中で瓶というのがなんかグッときたのでこの変わり種コーラ達を販売していくことにします。

ロボットや小屋のデザインを考える

小屋全体のデザイン、どのような動作のロボットを製作するかを考えていきます。

そもそも小屋というものを作ったことがないのでいろいろな小屋を見に行きたいと思います。

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ディズニーランドにやってきました。

スプラッシュマウンテンのあるクリッターカントリー周辺は小動物達の暮らす小屋がとにかくたくさんあります。

『小屋とかの画像』

この雰囲気たまらないです。

見ていくうちに自分の中で作りたい小屋、ロボットの雰囲気が固まってきました。

ロボットの製作

今回製作するロボットを簡単に紹介します。

まず大きさ約39cmぐらいの小さな人型ロボットを製作します。

そのロボットが冷蔵庫の中に釣り糸を垂らしてUFOキャッチャーのような要領でビンを取り出してもらうという感じです。

イラストにするとこんな感じです。

『イラスト』

では早速製作していきます。

顔はこのような感じです。

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そして胴体を製作し取り付けます。

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次に釣竿を製作していきます。

先ほどUFOキャッチャーの要領でと書きましたがアームのようなもので掴むのではなく、

瓶の栓に対して強力な磁石でくっつけて釣り上げます。

そこそこ重量のある瓶のコーラを釣り上げるためには強力な磁石が必要になります。

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直径30φ×高さ20mmのネオジウム磁石を購入しました。

かなり強力です。

この磁石をルアーに見立て竹で竿を製作。

ロボットの身長に合うように木の箱を製作。

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ロボットの製作中の写真をあまり撮っていなかったためダイジェストになってしまいましたが無事完成です。

リヤカーの選定

ロボットが完成したので次は小屋の設計に入ります。

まずはベースとなるリヤカーを購入します。

ホームセンターを数件めぐった結果。

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大きすぎないちょうどいいサイズ感。

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値段も予算内。

このリヤカーに決定です。

小屋の製作

リヤカーの寸法を元に小屋の設計をしていきます。

小屋を製作したことがなかったのでD.I.Yの本をいろいろ見て『決定版 ガーデンハウスの作り方』を購入してきました。

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本の中では庭に小屋を建ててるのですが僕の場合はリヤカーの上に建造するため本の内容は参考程度で自分なりに設計していく必要があります。

そして数日間悶えに悶えてようやく図面が完成しました。

では早速ホームセンターに木材を購入しに行きます。

今回スプルースという木を中心に小屋を製作していきます。

普段製作しているロボットとは違い使う木の大きさや量が多く自分で切断すると時間がかかってしまうため、

1カット20円程度で行ってくれるホームセンターの加工サービスを利用しました。

帰宅して買った木材をベットに並べてみました。

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この木材達をドリル、ボール盤で穴をあけながら組み立てていきます。

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数時間かけとりあえず木箱のようなものが完成しました。

そしてこの箱にロボットを設置するとこのようになります。

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この左側にいるロボットはBGM再生用に製作したのですが、

外に出た時に音量が得られず2回目の営業からはお留守番となってしまいました。

この箱の内側にクーラーボックスを仕込んで冷蔵容器として使います。

ここに屋根を取り付けて木材保護塗料キシラデコールを塗ります。

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ここに看板などを設置。

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ロボット同様製作過程の写真をあまり撮影していなかったためダイジェストになってしましましたが無事完成です。

トランクルームをレンタル

今回の大前提は原宿での開業です。

僕は神奈川県在住なので原宿周辺のトランクルームを借りそこを拠点に営業を行っていきます。

いくつかあったトランクルームの中から値段、場所、屋台が入るかどうか等を調べた結果、

キュラーズ渋谷富ヶ谷店に決定しました。

ここを拠点に原宿周辺で営業していきます。

コーラを仕入れる

変わり種のコーラを販売すると張り切っていたのですが、

仕入れやすさや値段の観点からとりあえずは瓶のコカコーラだけで営業を開始したいと思います。

手始めに自宅近くにある酒屋さんで仕入れを行いました。

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営業初日

ロボットが完成し、

屋台が完成し、

トランクルームもレンタルし、

コカコーラの仕入れも完了し、

舞台は整いました。

来たる2014年6月9日月曜日、

その時です。

僕はロボットカフェの営業を開始しました。

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最初のお客さんは小さなお子さんを連れたお母さんで、

1本300円のコーラを3本も買って行ってくれました。

そして原宿近辺にて外人観光客の方々を中心に約4時間ほどで全てのコーラを売り上げることに成功しました。

この上ない最高のスタートを切ることができました。

6月の売り上げ

仕入れ価格約70円のコーラを300円で販売すると1本あたりの利益は230円。

このロボットカフェが保有できるコーラの在庫は最大で24本。

つまり1日の最大の売りあげは、

230円 × 24本 = 5,520円。

そこからトランクルームの最寄駅である代々木八幡駅と自宅最寄駅との往復の電車賃1,000円が引かれます。

6月は10日間営業したので、

( 5,520円 – 1,000円 ) × 10日 = 45,200円。

ここからさらにトランクルームの賃料16,000円が引かれて、

6月の利益は29,200円でした。

開業までにかかった費用

屋台、看板、ロボット等全て手作りで行ったため人件費は0円です。

なのでかかった材料費を簡単にまとめてみます。

小屋制作費

  • 各木材:26,000円
  • 塗料:3,700円
  • その他ねじ類:2,000円
  • リヤカー:8,200円
  • クーラーボックス:5,800円

ロボット制作費

  • Arduino Uno:3,200円
  • サーボモーター:5,200円
  • 各木材:4,000円
  • 服:4,000円
  • 磁石:3,400円

合計:65.500円

商標関連で3万円ほど飛んでますが一応7万円に収まりました。

結果と感想

このロボットカフェ重量は約80kgあります。

参考一覧

  • パパイヤ鈴木さん:体重79kg
  • 森公美子さん:体重80kg
  • クリスティアーノ・ロナウドさん:体重80kg
  • ツキノワグマ:体重80kg

そして飲料の内容的に売れるのは夏場に限られてきます。

夏の暑い日に重量約80kgの屋台を引いて歩き続けるのは想像するよりはるかに大変でした。

そして2014年8月4日月曜日、

その日を最後にロボットカフェは原宿からそっと姿を消しました。

ロボットカフェ、享年二ヶ月弱。

しかしロボットカフェをもう見ることはできないのかというとそうではありません。

なんとこの2ヶ月弱の間に2冊もの雑誌に取材していただき掲載いただいたのです。

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この雑誌を開けばいつでもそこにロボットカフェはあるのです。

そして原宿でカフェを開業した結果。

別にモテませんでした。

ー完ー